三菱電機の販社、21年度は19%増収目指す
三菱電機製品のタイ販売会社、三菱電機カンヨンワタナは、2021年度(21年4月~22年3月)に前年度比19%の増収を目指す。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「新常態」に見合った製品や技術の開発、販売代理店や小売店への支援、アフターサービス、オンラインマーケティングなどを強化し、販売拡大を図る。
三菱電機カンヨンワタナの神屋親治社長は27日に発表した声明で、新型コロナの感染拡大の影響でエアコン需要が減退し、同社の20年度(20年4月~21年3月)の売上高は前年度比4%減となる見通しと説明。21年も新型コロナによる影響が続いており、新常態による生活様式の変化が進んでいくとし、「新常態の消費動向に見合った製品や技術の開発に注力していく」との方針を示した。
同社は、特に業務用エアコン市場は成長の余地があるとみて、販売に注力している。カスタマーサポート拠点を既存の6カ所から9カ所に増やし、25年度までにBtoB(企業間取引)の比率を現在の15%から30%に引き上げたい考えだ。
同社は、1971年に家電の販売会社「カンヨンワタナ」として設立され、今年で設立50周年を迎える。20年度は減収となる見通しだが、タイのルームエアコン市場とウオーターポンプ市場でトップシェアを堅持している。
■エアコンと冷蔵庫の新製品発売
三菱電機カンヨンワタナはこのほど、家庭用インバーターエアコン「ミスター・スリム・エコ・アイ・インバーターXTシリーズ」と2ドアの冷蔵庫「MR―FC35ER」を発売した。
インバーターエアコンは、タイ市場向けに開発された製品で、室内のヒトの動きを察知する「エコ・アイ・センサー」を搭載している。室内が20分以上にわたり無人になった場合、自動的に省エネモードに切り替わる。1時間以上にわたり無人になった場合は、自動的に電源が切れ、ヒトが戻ると電源が入る仕組みになっている。このほか、高速冷却機能や微小粒子状物質「PM2.5」除去フィルターなども備える。
三菱電機カンヨンワタナのマーケティング・セールス部門の藤木孝司エグゼクティブゼネラルマネジャーによると、タイのルームエアコン市場におけるインバーター化率は20年度に73%となり、21年度には80%を超える見通しという。
更新日:2021年01月29日