ダイキンのエアコン新製品 業界トップ級の除湿量
ダイキン工業は12日、家庭用エアコンの最上位機種「うるさらX(Rシリーズ)」の新機種を発表した。独自の運転制御でダイキン史上最高の除湿量を実現したほか、富士フイルムの吸音技術を採用することで運転音を抑えつつ、加湿・換気の性能を向上した。市場想定価格は14畳対応の製品で34万円前後で、11月1日から発売する。
同社によると、カーボンニュートラル(脱炭素)へ向け、国内では高気密・高断熱住宅の普及が加速。気密、断熱性の高い住宅は空調の消費電力が抑えられる一方で、24時間換気で絶えず外気を取り入れるため、従来のエアコンでは除湿が追い付かないという課題があるという。
そこでダイキンのうるさらXは熱交換器などの独自制御によって前年モデルから除湿量を20%向上。ダイキン史上最高の除湿量を実現した。高い除湿性能を生かし、部屋のカビ菌の繁殖を抑える新機能「しつどクリーン運転」も搭載した。
例年、エアコンは夏場が売り上げの多くを占めるが、近年は冬の暖房としてエアコンを使う家庭が増えていることから、冬場に重要な加湿や換気性能も強化。室外機に吸音マフラーを装着することで、運転音を変えずに風量をアップし、換気量は前年モデルから10%向上した。
一方で、前年モデルから市場想定価格は1〜2万円程度高くなる見込み。エアコンは半導体不足や銅などの原材料行動の影響を大きく受けているが、同社は「価格の上昇は新機能や性能向上によるもので、部材行動などの影響は調達や製造の工夫で吸収している」としている。
同社はエアコンの「うるるとさらら」シリーズ全体で年間25万〜30万台の販売を目指しており、担当者は「部屋の快適さを維持しながら省エネ性を損なわない製品を提案していきたい」と話した。
更新日:2022年10月12日