オフィス・店舗用エアコン向けに、IoTサービスを拡大(2/2)
<特長>
1.【HVAC CLOUD】業界初、AIが外部環境と利用者の温度設定を学習、約20%の省エネと快適性を両立
オフィス・店舗用エアコンの利用状況では、本部が省エネに配慮した推奨設定温度を決めても、各店舗の判断で設定温度を変えてしまい、消費エネルギーが増加してしまうことが多くあります。
これまでの省エネサービスは、設定温度を一定時間で戻す機能やスケジュール運転機能などのリモコン制御、空調機の能力を強制的に下げる制御などがありますが、利用者の快適性を配慮できていないことが課題でした。今回パナソニックは、業界で初めて利用者のリモコンの温度設定操作をAIで学習することで、省エネ可能な温度設定にAIが自動で制御し、省エネと快適性の両立を実現しました。6月~9月の夏季期間で実際の物販店舗に導入して検証した結果、設定温度を一定時間で戻すリモコン制御と比べて、約20%の消費電力削減効果がありました。
本サービスは2024年4月よりHVAC CLOUDの省エネマネジメントサービスのプレミアムプラン「AI省エネコントロール」として提供します。サービス提供時は契約前に1年間の試用期間を設け、実際の省エネ効果を踏まえて、導入を決定できます。
2.【HVAC CLOUD】複数物件のオフィス・店舗用エアコンを一括コントロールすることで、設備管理業務を軽減
複数の物件・店舗にある空調機を管理するには現地への訪問や電話対応など、多くの手間と時間が必要でした。今回、管理業務の工数削減と省エネルギー化を実現する、Web上で複数の空調機を一括管理できるサービスを提供します。日々の設定温度の状態や稼働時間の情報を収集し、本部の管理者が決めた運転設定の目標からの乖離を可視化することで、管理者が遠隔で対策することが可能です。本サービスは2024年4月よりHVAC CLOUDの省エネマネジメントサービスの基本プラン「省エネマネジメントアプリ」として提供します。
今回提供する省エネマネジメントサービスは、基本プラン「省エネマネジメントアプリ」とプレミアムプラン「AI省エネコントロール」があります。本サービスの導入に必要な空調機のインターネットへの接続作業は、手間のかかる通信会社との契約や通信端末の設定、LTEルーターとWLANアダプターの設置をパナソニックが対応します。さらに、WebサービスのためスマートフォンやPCなど端末を問わず操作可能で、アプリケーションのインストールも不要、導入時の負担を大幅に軽減しました。
3.【datanavi】フロン排出抑制法で義務化されている簡易点検に対応、冷媒漏えい検知サービスで管理の手間削減
「datanavi」は2017年10月からオフィス・店舗用エアコン向けに提供しているサポートアプリです。空調機のリモコンに、利用者がスマートフォンをかざすだけで(※5)、運転状況や取扱説明書など、必要とする情報を容易に取得することができます。試運転データの自動入手や、施工・メンテナンス時のサポート情報へも簡単にアクセスすることができます。さらに、空調機購入の際に本アプリを登録することでメーカーサービス保証を2年間延長(※6)します。今回、これら機能に加えて、2023年4月に「冷媒漏えい検知サービス」を追加します。
フロン類の冷媒は地球環境への影響が大きいことからフロン排出抑制法により3カ月に1回の簡易点検が義務化されています。簡易点検を実施するにあたり、目視による外観点検などが必要でしたが、同法の改正に伴い、2022年8月から簡易点検は常時監視を行う遠隔監視システムで代替が可能となりました。本サービスは、日本冷凍空調工業会で制定された業務用冷凍機器の常時監視による漏えい検知システムガイドラインに準拠、クラウド上で冷媒漏えいの有無を診断、漏えい時には管理者に速やかに通知し、点検負担の軽減に貢献します。
また、冷媒漏えいによる冷媒量の減少は、空調機の消費電力の増加に繋がります。環境省の調査(※7)によれば、冷媒漏えいの58%が廃棄時で発生し、約42%が使用時に発生しており、冷媒漏えいを早期に修理することで、地球温暖化抑制にも貢献します。2024年4月には本サービスをHVAC CLOUDにも搭載し、通知に加えて修理受付を自動で行うサービスを提供する予定です。
※5:専用アプリケーションが必要となります。
※6:datanaviのユーザー登録・機器登録・試運転データ登録を完了した場合。ただし、24時間運転を行う店舗等は除きます。例)コンビニ、サーバー室等
※7:環境省 フロン類等対策小員会資料を参考に算出
更新日:2023年03月08日